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 太古の昔より、豊かな自然に恵まれた森の中で、沢山の生命が育まれてきました。樹木は森から私達人間への最高の贈り物でいつも人々の営みに深く関わり、古代においては樹木すなわち「木」は神霊の依代とされ信仰の対象となる「神木」が各地に残っております。私達はその花の美しさや香りに酔いしれ、その果実を食することの楽しみ知っています。そしてその幹や枝が建築用材としてはもちろん、船舶、家具、食器、装飾品、楽器、玩具、美術工芸品、運動用具など私たちの暮らしに必要なありとあらゆる道具類の用材として利用されているのはご承知の通りです。
 スギ、ヒノキなどの針葉樹大径木の存在が京都、奈良などの古都に甍を並べる勇壮な神社、仏閣等の古代建築物の建立を可能にし、また、それらは「木造」なるが故に私達の心を魅了して止まないのではないでしょうか。もちろん現在でもこれら針葉樹は住宅建築に必要不可欠である事は申し上げるまでも無い事です。
 私達の廻りではこのように主に建築用材として利用される針葉樹の他に、ドングリ、クルミ、モミジ、クリ、シラカバ、ニレ、サクラ、ホオノキなどの広葉樹も多く見られ四季折々の景色に彩りを添えて私達の目を楽しませてくれます。北海道は世界的な「広葉樹の宝庫」と呼ばれる程、非常に多くの広葉樹いわゆる「雑木」が植生している地域で私達も創業以来主にこの北海道産の「雑木」材の販売を手がけておりました。
 北海道産の良質広葉樹原木、製材は家具、楽器、工芸品などの用材として道内、国内向けはもとより海外でもその品質が高く評価され、たくさんの材料が世界各地へと輸出された時期もありましたが、数百年という長い年月をかけて成長したナラ、カシ、などの大木が次々と切り倒されて次第に姿を消し、かつては北海道から輸出された広葉樹材の多くを、今では逆に欧米産などの輸出品に求めるようになってきております。
 このように、資源的な背景により道産材の流通経路が大きく変わり、その利用法、加工法も工夫されるようになった結果、それを原料にして様々に姿を変えた建材が次々に登場し、同時に私たちの扱い商品も希少材となってしまった道産広葉樹に加えてエゾマツ、トドマツ等の針葉樹材、インドネシア産、マレーシア産等のいわゆる「ラワン」と称する南洋材、各種合板類、建材類など多岐に渡るようになりました。
 道産広葉樹の例に限らず、現在の日本は木材需要の6割以上を輸入に依存しなければならない世界でも有数の木材輸入国となっており、熱帯雨林などの自然環境破壊の元凶と目される木材伐採に深く関わって経済活動を行いながら、森林のもたらす恩恵を存分に享受してきた私達は、かけがえのない森林資材の有効かつ循環的利用を各方面に広く深く理解を求め、積極的な植樹、植林、森林育成等の事業を通じて急激に減少しつつある緑豊かな森林の保護、維持とその回復に努め、更には「持続可能な社会を創るために限りある資源の節度ある有効利用」の「心構え」を子々孫々に至るまで伝えていく責任を負っていると考えております。

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